黄昏色の列車に乗って。

ー僕が旅を続ける理由ー

Travel "KITA-KIKO"2020

おら、それ違げーだろ! 配送間に合わねーぞ! お前何やってんだよ?よく考えろや!! 怒号が飛び交う新地にある魚屋の仕込み場 35歳、見習いのJは淡々と言われた雑用や掃除をこなしていた。 二週間前までは閉鎖された場所で孤独に冷たい弁当を食べていた。 …

饂飩が食いたけりゃ何処までも

23.oct.2017 腹が減った あー!腹が減った!! ってな事で12年来お世話になっている飯屋さんに出掛ける事にした。 10:00PM 東京駅 寝台特急「サンライズ瀬戸号」に乗り込んだ。 横浜を出たあたりで飯屋さんに確認の電話を入れる 「あぁ、お久しぶりです。…

幸せのきっぷ。

2017 journey in late summer 抜けるような青空の下、僕は金比羅さんのふもとにいた 旅の途上、素敵な列車があると聞き、知人にチケットを手配してもらったからだ。 「そらの郷紀行」と題された気動車はJR四国が国鉄末期から導入した、キハ185系というそこそ…

日本一周コレクションについて。

お久しぶりです。 今、僕の公式SNSで、かつて旅まわりをした日本の風景を発信しています。 遊びで作ったアカウントなのであまり気合は入れてなかったのですが、予想以上の反響をいただいています。 かけがえのない記憶とはー ー丘や花太陽、朝焼けと夕映え、…

北紀行Ⅰ ーBegining of my Solitary Journeyー

13年前、少年だったGeorge (Georgeは後に音楽活動を行うステージネームとして拝命した名前で、当時はまだ存在しなかった) は、自分の通う高校の卒業式の日、北の街へと旅に出る。 県内有数の進学校である県立K高校に3年通った末中退しようと決意し、少年Ge…

Alone At The Sweet Room-いつの日も夢を乗せて-

Sat,February 20, 慌ただしく働いて、気がついたら週末 流行りの感染症で体調を崩してしまった僕はベッドに横たわり天井を見上げていた 時間は有限だから寝てる暇なんかない だけど、脱力感と倦怠感で何もする気が起きない。 半分冷やかしで友人に電話した。…

回想―晩秋の北海道にて

晩秋の北海道を訪ねた。 日本の西や南に住む人にとっては冬の空気と感じるだろうが 僕はこの北海道の冷たい”晩秋”が大好きだ 空の高さ、風の香りと冷たさ 過去には帰らないことにしているが 1年前、夜汽車に乗り、この街にたどり着いたことを思い出した。 食…

星空と海原と―海辺の田舎町にて―

2015 Early Autumn テレビのニュースでは行楽地へ向かう車の渋滞が報じられていた。僕は満席の特急列車を降り、駅前で拾ったタクシーに乗り海岸線を走っていた。 快晴の空と青い海の彼方に水平線を眺めながら、海辺の田舎町を訪ねた。 退屈な日常、沢山考え…

Journey of a office worker

「君はいち社員だろう? うちの取引先と一線を越えるようなことをしてはいかん事を分からんのかね?」 対等だからと強気の姿勢を崩さなかった。 プロジェクトを成功させるために必死だった しかし、そんな思いは社会のヒエラルキーやら大人の事情やら、汚い…

June in the rain

One day... 過去に帰らず、過去に感謝し、前を向いて歩くんだー 1年前は何してたかなぁ、なんて振り返る事はしない。 でもね、この梅雨空の下、不意のスコール 傘もささずに家路を急ぐ途上 通りのがかりのレストランのテラスからこぼれてきた 君が好きだった…

The ”Special Seat" that I love -特等席からの景色が見たくて-

sat,Jun27,7:30am 浜松町World Trade Center 眠れなかった昨晩は13年前の少年のココロと同じだった。 スーツに添乗旗、手配簿や名簿を挟んでいるのは、10年前に山梨のひなびたドライブインで貰った時代遅れのバインダー バスがゲートに入り、受付が始まった …

想い出のとなり

mon June 8,10:02pm 新宿駅西口 「クソッタレ!!」 息を切らした僕は急いで流れているタクシーを拾った。 格安バスのチケットをインターネットでたまたま見つけ、突然ではあったが帰省する事にしたのだが 肝心のバス乗り場を間違え、指定の場所に着いた2分…

あしあと。

2015.early summer 信州の静かな山里は汗ばむほどの陽気で GWシーズンの観光客でにぎわっていた。 今日は僕が上京して7年目の日だ。 あの日と同じ出で立ち、新しい靴を履き、トランクひとつもって カタカタと揺れる古い電車に乗って 静かな小高い丘にあ…

女ゴコロと春の空

私といる時のあなたより、ひとりで旅から帰ってきた時のあなたの方が楽しそうで輝いてるー 荷造りをしながら彼女はそう吐き捨てた。 浮気相手でもいるのならならまだしも、何に嫉妬してんだ、、 約束と指輪は儚く冬の空に散って行った。 その日の夜、K氏から…

北紀行Ⅱ-Travel records of "the Great Bear"-vol.2

ℹ︎この記事は、2014年7月に執筆した旅行記を再掲載しております。 目が覚めると、白樺の木々が車窓から見えた。食堂車でのモーニングコーヒーが終わった後、ほどなくして列車はターミナルへと到着した。北の大地、何年ぶりだろう。数年来ないうちに摩天楼が…

北紀行Ⅱ-Travel records of "the Great Bear"-vol.1

ℹ︎この記事は、2014年7月に執筆した旅行記を再掲載しております。 ―旅に出ることにした思い立ったのは数日前友人から旅行券をプレゼントされたからだ。ここ10か月ほどの間色々あって節制、節制、、、と思っていたが部屋のリフォームをしたり、こうして旅に出…

セカンドトリップ。

Fri,January 23,17:40 金曜日、茅場町にあるTトラベルの東京オフィスは慌ただしさを見せていた。 週末、ましてや月末近くの夕方は戦場である。 僕も例外なく忙しく「手配」をしていた。 昼飯のジンギスカンは味の羊ヶ丘?、ラーメンは彩未?駅弁は遠軽で積み…

後編 -追憶- 友情・仕事・カネ

ー手紙 R君へ この度は仕事誘ってくれてありがとう。 僕は今大阪から北海道に向かう寝台列車の中にいます。 昼間列車の中で食べたハンバーグステーキが美味しくて感涙してました。 これから北海道、シンガポール、香港、マレーシア、福岡、大分と 各地へ旅回…

前編  -追憶- 友情・仕事・カネ

Fri, November 21, 2014 19:30 銀座の蕎麦屋で僕は友人であり前職の同僚だったR君と会食をしていた。 26歳のR君は港区に住み、六本木に事務所を持ち、こ洒落たカジュアルルックで営業をする 不動産の仲介で一山当てた、いわばイケイケの経営者である。 この…

ファーストトリップ。

Thu,January 1,16:00 羽田空港でセキュリティチェックを終えた僕は、ラウンジで電話を取った。 「母さん、ごめん。飛行機オーバーブックで乗れない。明日新幹線で帰るわ」 残念がる母に申し訳なく思いつつ、僕はそのままボーディングブリッジを渡り NH285便…

旅に出よう。

皆さんお久しぶりです。 1年数ケ月振りにBLOGに触れました。 2014年から2015年へ、新たな年の幕開けー そんな中、ずっと答えを探して彷徨ってきました。 確かなものはないが、自分の中で変わらないもの ー旅をしたいー 熱き想いは馳せるだけでなく、夜汽車の…