黄昏色の列車に乗って。

ー僕が旅を続ける理由ー

星空と海原と―海辺の田舎町にて―

2015 Early Autumn

テレビのニュースでは行楽地へ向かう車の渋滞が報じられていた。
僕は満席の特急列車を降り、駅前で拾ったタクシーに乗り海岸線を走っていた。

快晴の空と青い海の彼方に水平線を眺めながら、海辺の田舎町を訪ねた。


退屈な日常、沢山考えすぎて
孤独や不安と野心がつづれおりになり
自分を見失いそうになった時、見知らぬ街を訪ねたくなる

単なるヴァケーションではなくて、何かに縛られているくらいがいい。

道に迷った時、悩んでも解決なんかしない

前を向いて歩くんだ。それしかないんだ

そして何も考えず、歩けなくなるまで必死で働くんだ

そうしたら、何故自分がこの道を選んだのか、自分がどう生きていきたいのか
答えが見つかる気がする


仕事を終え、澄んだ夜空に満天の星が広がる露天風呂に浸かり
彼方に見える漁火を眺めながら缶ビールを空けたころにはもう心地よい眠りにつき

朝焼けの眩しさ、さわやかな潮風で目が覚め
また新しい一日が始まる。

時は無常であり、沢山の記憶が波打ち際に押し寄せる潮の如く

押し寄せまた引いてゆき

そして今日もまたヘトヘトになるまで働くんだ。


未来に希望なんかないと思っていた。

でも、都会の喧騒や過去の傷ににかき消されていただけかもしれない。

自分が好きなもの、自分がやりたいこと、自分の生き様とは何なのか―


大海原や満天の星空を見ながら好きな仕事をしていると
自分の悩みなど取るに足らない事なのではないのかと思えるようなってきた


何もない田舎町の夕暮れ時、茜色に染まった空を見上げると
家路を急ぐ鳥達の姿、裏山からは鈴虫の鳴き声がした

 

ありのままに流れる時を感じ、受け容れ、自分の生き方を考える

 

かくあるべき生き方とはなんだろう

 

自分の中で普遍的なものとはなんだろうー

 

 

迷ったら旅に出ろ。前を向いて歩むんだ。そして汗をかいて働くんだ。

 

働いて、働いて、働いてー

疲れ果てて眠る頃、不安や心の迷いは

夜の風にさらわれて、一つの星のように小さな存在になっている気がした

 

 

 

ボンボヤージュ。

 

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