黄昏色の列車に乗って。

ー僕が旅を続ける理由ー

北紀行Ⅱ-Travel records of "the Great Bear"-vol.2

ℹ︎この記事は、2014年7月に執筆した旅行記を再掲載しております。

 

 

 

目が覚めると、白樺の木々が車窓から見えた。

食堂車でのモーニングコーヒーが終わった後、ほどなくして列車はターミナルへと到着した。

北の大地、何年ぶりだろう。

数年来ないうちに摩天楼が姿を現し、近代化したその姿に驚いた。
しかし、相変わらずの場所を探し歩くと、僕が大好きな北の街はそこにあった。

僕はネオンや古い建造物が立ち並ぶ街が好きだ。
古いといっても文化財や歴史的建造物にはあまり興味がない。
昭和中期頃からバブルにかけて作られた、ゼネコンの香りのする
一寸意味のない重厚感や無駄を感じる構造物。
そして、日本が海の向こうにあこがれて作ったトンチンカンな構造物。

大分・別府や石川・片山津温泉、横浜・伊勢佐木町、大阪・宗右衛門町のバックストリート
岐阜の柳ケ瀬などブルースシンガーが歌い継いだ場所。東京だとどこだろう。最近少なくなった気がする―

かつて一人歩いた道を歩く。
全身にこだまする思い出の音楽。

Sweet little Darlin.
ticket to ride
愛のかけひき
Beyond the Eternal Ocean.......

「過去に帰らず、未来だけを」

といつも人には言っているが、一人だけの時間(とき)は許されるだろう。

懐かしく美しい景色の中でだけ、ありのままの自分に戻ることができる。

明日からはまた闘いの日々だ―

だから少しくらいいいだろう。

学生のころ通っていた小樽の寿司屋に顔を出して、運河のほとりを歩いた。

夏の海岸線をゆく函館本線は軽快に走り、あっという間に札幌に着いた

帰りの列車「カシオペア」がホームに入線してきた。
しばし洞爺噴火湾をながめながら、闘いの街、東京への帰路に着くのであったー

かつて全国を旅回りしていた時、「北紀行」という日記を書いた。
その旅をした日は僕が通う高校の卒業式の日だった。
自分らしい卒業式をと思ってひとり北海道へ旅に出た。

あれから11年

ロックンロールな性格は変えようと思っても変わらない。

続•北紀行

仕方ねぇからもうひと頑張りするか、ってな。

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