北紀行Ⅰ ーBegining of my Solitary Journeyー
13年前、少年だったGeorge
(Georgeは後に音楽活動を行うステージネームとして拝命した名前で、当時はまだ存在しなかった)
は、自分の通う高校の卒業式の日、北の街へと旅に出る。
県内有数の進学校である県立K高校に3年通った末中退しようと決意し、少年Georgeは、北の街で一人卒業式をしようと、バイトをしていた旅行会社の先輩にチケットを手配してもらい、旅に出た。
「34歳、天野」と言う名前がチケットには刻まれていた。
2003年3月1日は、羽田空港の管制塔が未曾有の混乱状態で少年Georgeが搭乗する飛行機は7時間遅れ、その後のフライトはほぼ全て欠航という混乱状態の中、進学のこと、家庭のこと、大好きだった人のこと、
正しいものって何だろう。
自由とは、夢とは何処にあるんだろうー
そんな思春期の想いをいっぱいに詰め込んで、飛行機は北の大地へと飛び立った。
当時はまだblogやSNSがなきに等しい時代
自身が立ち上げ、活動していた"アトリエMother Earth"のホームページにこの旅の手記を綴った。
勿論今そのサイトはなく、写真以外は何も残っていない。
でも、12年の時が過ぎても変わらないもの
それは、自分の愛するものや人への気持ちー
過去に帰るわけではなく、普遍なる想いを込めて
過去と現在、そして少しの未来をエッセンスとして、ひととき回想したいと思う。
ー想いは変わらず、夢はカタチを変えながらー
2003.3.1
卒業の日
なんとなく、北へ来たー
駅へ降り立ち、公園を歩いた
到着した頃は夜も更けていて
街のネオンやテレビ塔の明かりが綺麗だった。
白いホテルへチェックインしたー
元々独りが好きだが、窓から見える夜景を眺め、仲良く並んだベットを見ていると
切なさがこみ上げたー
狸小路、すすきのと夜の街を歩き、好きな酒をたらふく飲んだつもりだが
今夜はうまく酔えない自分がいた。
白いホテルへと戻り
大好きだった人へ手紙を書いた
翌朝
朝食をとりながら、今日は何処を旅しようと、白い蒸気の上がるビルを見ながら静かな時をひととき過ごしたー
列車に乗り、君に見せたかった街へとやってきた
雪深く、誰もいない北の田舎町は
僕の心を憂うように
美しい木々が彼方まで続く雪の大地とともに、ただ美しかったー
空港へと向かう列車に乗る前
駅前のポストに手紙を入れた
愛しさって何だろうー
そう感じる切ないココロ
やるせない想いー様々な葛藤や劣等、それに勝る愛という不思議で残酷な感情ー
全ての想いを
北の大地へ置いて行こう
またいつか出会える日が来るまで